今回は真言宗と他宗派の違いについてお話をします。

 

●本尊の違い

真言宗と他宗派の違いとして、まず礼拝の対象となる本尊の違いが挙げられます。
宗派が色々あることをご存知の方は多いかと思いますが、本尊もそれに応じて分かれることを理解されている方は少ないかと思います。
前回の投稿でも少し触れましたが、真言宗では大日如来を本尊としています
他宗派では阿弥陀如来や釈迦仏などを本尊としています。

●教法の違い

真言宗が本尊としている大日如来が説いた教えというのが密教です。
密教とは、人間の言葉や文字にはし難い、奥深く難解な秘密の教えと言われています。
また、密教と対比されるのが顕教です。
顕教は阿弥陀如来や釈迦仏が、衆生救済のために、聞く相手の能力に合わせて説いた教え(顕わな教え)と言われています。

●成仏に対する考え方の違い

成仏とは現在では死ぬことを意味する言葉として広く使用されていますが、本来は煩悩を消し去り、究極の悟りを開くことを言います。
他宗派では輪廻転生などを経て、とても長い時間をかけて修行をすることで成仏するという考えを持っているのに対し、真言宗では現世において、生まれ持ったこの身のままで悟りを開き、成仏することを可能にするという考えを持っています。